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映画鑑賞の記録

私の映画感想文と、映画に関する文章などです。


5-1874  御誂次郎吉格子 (読み方:おあつらえじろきちこうし)  

  1. 2020/03/02(月) 23:30:00_
  2. 伊藤大輔
  3. _ comment:3
御誂次郎吉格子  1931年・日本 (無声映画です)



御誂治郎吉格子




 
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2020年3月2日(月)  お借りしたDVD

監督  伊藤大輔
主演  大河内傅次郎

感想
話の流れはよく分かりました。

邦画でサイレントは初めてだったけど、チャップリンの短編の
オンエアでいまいちの弁士さんを聞いたことがありますが
この映画の弁士の方はお上手でした。


1931年製作で「巴里の屋根の下」と同年ですが、
「何ともお気の毒な日本の映画産業」という感じ・・・



これは個人の努力でここまで見られるのだと
映画の始まる前の字幕で、しかも川喜田かしこさんの言葉があって、

多分、国をあげて保存されたフランス映画とは
いろいろな意味で雲泥の差で・・・。
(もちろん、巴里の屋根の下も飛んでいる部分はあるけど
 この映画ほどではなかった)

でも、そのご努力のおかげでここまで見られて、
イイ男の傅次郎さんや、わかりやすい話の内容が
よく伝わってきたのだと思います☆

内容としては
お仙さんが嫌いとか、ああいう世界に身を持ち崩したからとかではありませんが
「私を忘れさせない」という言葉は、引きました。
女性として、ちょっとねというタイプ。

といってお喜乃さんも、好きではないですけどね・・・
まあ、男性監督どころか、多分、映画制作の場に男性しかいなくて
(もしお手伝いで女性がいても、意見が言えない職種だと思います)
こういう女性二人になったんだと思います。

結局、自分のやったことの罪で、あの親子がそうなって
それを、お仙のようなまあ玄人ですかね?
それと比べてのおぼこだから可愛いという感覚は、
どちらにも失礼だし、次郎吉も仁吉もあの十手持ちも、男は同じだと思います。


次郎吉の人となりが、
よくあるテレビドラマのような義賊ではなく
自分勝手な嫌な奴だったのは、映画的に良かったです☆



ま、男性目線ということは時代的に仕方ないことだから、
もし今生きていらしたら、それなりの女性目線も入るんでしょうし
作りがうまい、良い作品でした。
(私はサイレント映画の評価は、昔からしていないので、この作品もしません)

伊藤大輔監督の今まで見た2本と違って
戦前で、サイレントで、価値が高い作品を見られる機会を頂けました☆





この映画の結末

お喜乃をかごに乗せ逃がし、

仁吉の家に入り、お金を取り、仁吉をやっつけて、
お仙の機転で十手を持ち、多くの岡っ引きに紛れ逃げる次郎吉。

お仙は「私を忘れさせない」と言い、川へ飛び込む。
岡っ引きたちは次郎吉が川に飛び込んだと思い、皆そっちへ向かう。
・・・身を犠牲にして、次郎吉を逃がしたのだ。

そして、字幕にて
「数年後に鼠小僧次郎吉はつかまり死罪になった」と、
それがラストシーン。




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comment

  1. 2020/03/05(木) 14:05:05 |
  2. URL |
  3. ポール・ブリッツ
  4. [ 編集 ]
ほんとヤクザで身勝手でイヤなやつですよね次郎吉(笑)。

そこが妙に人間らしいというか、妙な日本人らしさを表していると思います。監督はピカレスクロマンを撮るつもりだったのかな。

松田春翠さんの活弁が聞き取れたのはよかったです。知人に見せたら、「聞き取れなかった」って人が結構いたもんで。

お仙を演じた伏見直江さんは、女優としてはわたしは大好きです。戦前版のトーキー「雪之丞変化」でおっかないヴァンプをやってますが、言葉にも演技にも色気があって最高なのです(^^)。この映画でもよかったとは思いますが、女性から見れば(脚本書いたのが監督ですので)、いろいろと言いたいことも出てくるでしょうね。

当時の無声映画では、別な監督の「水戸黄門」も見ましたが(なんと大河内伝次郎が水戸黄門を演じている)、その結末見たらmiriさん理不尽さのあまり怒っちゃうんじゃないかな。興味ありますか?(笑) あったらナイショで結末教えますけど(笑)

伊藤監督では「忠次旅日記」が不動のマイベストなんですけど、全体の三分の一しか見つかってないんですよねえ。こないだ、アメリカの無声映画のフィルムが日本で95年ぶりに発見された、という大ニュースを聞いたので、まだどこかに埋まってるんじゃないかと思いますけど……。

  1. 2020/03/05(木) 14:34:42 |
  2. URL |
  3. ポール・ブリッツ
  4. [ 編集 ]
松田春翠さんのことですが、川喜田さんが言葉寄せるのもほんとうで、

ある日、場末の映画館で弁士の仕事をしていた松田さん、やっていると、記憶違いか、昨日見て原稿を書いた(無声映画では、活動弁士が映画を前もって見て、自分の話す原稿を書く)はずのシーンが、今日の上映ではどこにもないことに気づいた。

その場はアドリブで適当にしのいだものの、気になった松田さん、上映していた技師にその話を持ち掛けたところ、「ああないのも当然だよ、傷んでたので切って捨てといた」

時は「第二次大戦後(!)」大手のハリウッド映画が廻ってこない地方では、昔の日本映画などを上映して客をつないでいたのである。技師の「あたりまえの至極当然なこと」みたいな口ぶりに「これはいかん」と危機感を抱いたのがマツダ映画社の始まりというから恐ろしい。

シネマテークフランセーズが機能していたフランスがほんとうらやましいっす。

ポールさん、こんばんは☆

  1. 2020/03/05(木) 18:30:35 |
  2. URL |
  3. miri
  4. [ 編集 ]
良い機会を頂き、有難うございます☆

> ほんとヤクザで身勝手でイヤなやつですよね次郎吉(笑)。
> そこが妙に人間らしいというか、妙な日本人らしさを表していると思います。監督はピカレスクロマンを撮るつもりだったのかな。

そうそう、嫌な奴で良かった(笑)。
テレビドラマでよく見るタイプだったら面白味も半減していたかもしれませんね~?

> 松田春翠さんの活弁が聞き取れたのはよかったです。知人に見せたら、「聞き取れなかった」って人が結構いたもんで。

もちろん字幕もあったけど
私には聞きなれたような言葉だったので、聞き取れました☆

> お仙を演じた伏見直江さんは、女優としてはわたしは大好きです。戦前版のトーキー「雪之丞変化」でおっかないヴァンプをやってますが、言葉にも演技にも色気があって最高なのです(^^)。この映画でもよかったとは思いますが、女性から見れば(脚本書いたのが監督ですので)、いろいろと言いたいことも出てくるでしょうね。

女優としてはうまいと思いました、記事に書いたのは役柄なので・・・。

> 当時の無声映画では、別な監督の「水戸黄門」も見ましたが(なんと大河内伝次郎が水戸黄門を演じている)、その結末見たらmiriさん理不尽さのあまり怒っちゃうんじゃないかな。興味ありますか?(笑) あったらナイショで結末教えますけど(笑)

あんまり興味なく・・・(笑)。

> 伊藤監督では「忠次旅日記」が不動のマイベストなんですけど、全体の三分の一しか見つかってないんですよねえ。こないだ、アメリカの無声映画のフィルムが日本で95年ぶりに発見された、という大ニュースを聞いたので、まだどこかに埋まってるんじゃないかと思いますけど……。

3分の1ではね・・・。
けっこう個人の家に名画(絵)とか埋もれいていますものね、
映画もまだ大丈夫かも?

>松田春翠さんのことですが、川喜田さんが言葉寄せるのもほんとうで、
>・・・「これはいかん」と危機感を抱いたのがマツダ映画社の始まりというから恐ろしい。

すごい話です!
危機感を抱く人が日本に一人でもいて本当に良かったけど
やっぱり国が目を付けなかったのが悲しいですね!

最近、おずっちとかはすごく綺麗になっているけど
戦前のももう少し見やすければ普通にNHKのオンエアにかかりそうなのに
本当に残念ですね・・・。

>シネマテークフランセーズが機能していたフランスがほんとうらやましいっす。

やっぱりあっちはお国柄もあるでしょうけど
陸続きでナチスの危険がマジにあったから、絵画も避難させたり隠したり
映画も芸術として大切に扱われていたと分かりますよね~♪


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古今東西、色々な映画が好きです♪
一番好きなのは、1930~50年代のフランス映画です。

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