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映画鑑賞の記録

私の映画感想文と、映画に関する文章などです。


2-1343  にんじん  (旧gooブログの記事)

  1. 2011/11/02(水) 23:00:00_
  2. ジュリアン・デュヴィヴィエ
  3. _ comment:2
2011年11月6日の記事
タイトル 「映画「にんじん」を見て」



POIL DE CAROTTE (にんじん) 1932年・フランス製作作品を見ました。



にんじん




 
.


2011年11月初め頃  セルDVDにて

監督 ジュリアン・デュヴィヴィエ
主演 アリ・ボール (フランソワ 役)

感想
原作は小学校の図書館以降、どこにでもありましたが、読んだ事ありません。



以下、内容に触れていますので、お気を付けください。



まずラストに驚きました。
この監督ですし、死んで終わり(周りの深い後悔の描写)だとばかり・・・。
それが、良い意味で裏切られ、本当に良かったです。
もちろん、この後が大変なのですが・・・。

私は、自分の育った家庭・両親の事で、この映画が身にしみる部分が多かったです。
でも、母親が自分の産んだ子供を差別する事がよく分からなかったので、
途中で、これは夫がよそで産ませた子供か?と、マジに思いました。

そして思い出しました。
かつて知っていた人のご主人さまが、本当にその実の母親から差別されていた事を。

実の母親なのに、妹だか姉だか忘れましたが、そっちだけを可愛がって、
色々な面で兄か弟である・その人の夫は差別され、
ある出来事を機に、夫の実家とは縁を切った、という実話です。

現代でもそういう事はあるのだから、
多分19世紀末、こういうことは世界中でよくあったのかもしれませんネ。

「お前が生まれた頃、もう母さんとは仲が良くなかったんだよ」
そんなこと、当人に、言うな~!!!
仲が良くなかったのなら、子供が授かるようなことを、するなよな!

産まない方が良かったのに、カトリックかもしれないけど、
生まれた以上、可愛がらねば(正しいしつけを伴う愛情の事)親ではない。

アレコレ身を切られるような思いで見ていると、
多くの問題を提起している映画だと分かります。
(原作がそうなのでしょうけど)

人間は自分が愛されないと、人を愛せないこと。
誰か一人で良いから真剣に思ってくれることに気付けば、自分から死ぬ事はない事。
子供の自殺は、やっぱり一種の「病気」だという事。
分身は、多重人格の入り口だという事。
溺愛も子供の成長を妨げること。・・・などなど・・・。

母親自身が(多分お金だけが あって)愛されずに育ち、結婚し、母親になり、
子供の育て方も知らず、父親と協力するという事も知らず。

兄と姉、は、繰り返し、また愛を知らずに、溺愛の中で育ち、
弟を愛さない母親にならって、弟を陥れる人間になり、

父親は何も気づかないふりをして、本当は知っているくせに、
外面だけが大事で、村長になったって、家庭は機能していないというのに・・・。

お金があって なお 良くなかったのかもしれない・・・
お金がなければ 寄宿舎には 入れられないし、
親子で 身体を動かして 働くしかないのだもの。

新しいお手伝いさんは まともな感覚で、でもこの家庭には、
その一石では何も変わらない長い歴史があり、

本名で呼ばれないフランソワ・・・。
にんじんは愛された事がないから、抱きしめようとするお手伝いさんの手を振り払う。
仲が良さそうな親子に石を投げる・・・。嫉妬嫉妬嫉妬・・・。

でも自分がとうとう死ぬという決意をしたときに、
お手伝いさんに窓越しにさよならの意味を込めて、感謝の投げキッスをするから
気持ちは伝わってはいたのよね~。

おじさんとマチルダとのエピソードは、これが普通の子供の世界と思える微笑ましさ。
ちょっとだけ「禁じられた遊び」の穏やかなシーンを思い出したりして。

・・・ラスト以降、この家庭が機能回復するのかは分からないし、
それには長い時間が必要だし、
ツケを払う事が、あの両親に出来るのかどうかは分からないけれども、

いろんな将来を想い浮かべながら、最低でもフランソワが一人で巴里あたりで働いて、
きっと良いお嫁さんをもらって、孫が出来たら田舎の両親に見せに来て、
3兄弟の中で一番の親孝行モノになって、

そういう事全部、お母さんが分かってから死んでほしい。
まぁ無理かもしれないけど、お父さんには少しは希望が持てます。

長くなりました。
この映画はNHKのBSでオンエアして、多くの人に見てもらいたいな~と、
心から思います☆



※これは旧gooブログの記事ですが、感想文もほぼ同じなので、この記事だけにします




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comment

こんにちは。

  1. 2011/11/06(日) 11:18:44 |
  2. URL |
  3. アスカパパ
  4. [ 編集 ]
コメントとTBありがとうございます。

>私は、自分の育った家庭・両親の事で、この映画が身にしみる部分が多かったです。
>でも、母親が自分の産んだ子供を差別する事がよく分からなかったので、
>途中で、これは夫がよそで産ませた子供か?と、マジに思いました。

仰ることは良く分かります。大多数の場合はその通りですね。
しかし、私のレビューにもチラッと書いたと思いますが、実際にありますね。
特に最近は、新聞を賑わすほどにあって、吃驚します。動物にも劣ると、、。

>そして思い出しました。

やはり、あるのですね。
江と家光。信長とその母。昔からあるようです。
人間の業の深さとでもいいましょうか、、。

>人間は自分が愛されないと、人を愛せないこと。

以下、書いて居られること、同感です。
素晴らしいレビューですね。感動しました。

>おじさんとマチルダとのエピソードは、これが普通の子供の世界と思える微笑ましさ。
>ちょっとだけ「禁じられた遊び」の穏やかなシーンを思い出したりして。

私もそう思いました。
救いの無い暗いこの映画の中で、ほんとうに救われるようなシークェンスでした。

>・・・ラスト以降、この家庭が機能回復するのかは分からないし、
>(中略)
>そういう事全部、お母さんが分かってから死んでほしい。
>まぁ無理かもしれないけど、お父さんには少しは希望が持てます。

私は父親には希望があると思って鑑賞を終えたように思います。
母親は、ねぇ、、。うう~ん!。

アスカパパさん、こんにちは☆

  1. 2011/11/06(日) 16:35:22 |
  2. URL |
  3. miri
  4. [ 編集 ]
こちらこそ、コメントとTBを有難うございます☆

> 特に最近は、新聞を賑わすほどにあって、吃驚します。動物にも劣ると、、。

最近のは異常だと思います。
子供を産む、という意味のわからない、身体だけが大人の
中身は自分が赤ん坊以下の人間が、子供を育てられるはずもありませんものね。

> やはり、あるのですね。
> 江と家光。信長とその母。昔からあるようです。
> 人間の業の深さとでもいいましょうか、、。

普通は下へ行けばいくほど可愛いと思ったりして・・・
まぁそれも差別ではなく、
兄や姉にも、昔そうしたけど、当人たちは覚えていない、という意味なのですけどね~。

> 以下、書いて居られること、同感です。
> 素晴らしいレビューですね。感動しました。

きゃー!有難うございます!
パパさんにそう書いて頂き、本当にこころから嬉しいです!

> 私もそう思いました。
> 救いの無い暗いこの映画の中で、ほんとうに救われるようなシークェンスでした。

普通の子供の様子も見られ、ホッとしましたね♪

> 私は父親には希望があると思って鑑賞を終えたように思います。
> 母親は、ねぇ、、。うう~ん!。

私は父親にもあまり期待できないと思っていますが、
にんじん自身が、きっと強く生きるような気がして・・・。

お父さんは、時々ハッとして、
でも、おおかたは、自分の事しか見えないような気がします。

お母さんは、何も分からないまま今生を終え、次に自分が
「にんじん」の立場になって学ぶしかないのでしょうね~。
(すみません、ある時期に学んだ考え的には、そういう感じです(爆))
 
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古今東西、色々な映画が好きです♪
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