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映画鑑賞の記録

私の映画感想文と、映画に関する文章などです。


(1-178) 地獄に堕ちた勇者ども (2回目)

  1. 2011/02/16(水) 22:30:00_
  2. ルキノ・ヴィスコンテイ
  3. _ comment:4
再見  La caduta degli dei (地獄に堕ちた勇者ども) 1969年・イタリア/西ドイツ



地獄




 
.


2011年2月16日(水)  セルDVD

監督 ルキノ・ヴィスコンティ
主演 ヘルムート・バーガー(マルティン役)

感想
すごいわ!いやはや全く、すごい! 
高2の初見以来の再見で、この映画だけは、ほとんどの場面を覚えていなかったので、初見同様。
高2では分かるわけなかったって感じ、この映画。
“今見てちょうど良い映画で・賞”

*********************

一般に売られているDVDのパッケージ画像は、今すぐにでも改めなさい、全然違うから。
この映画のパッケージとしては、不適格な場面だから。

最初の導入部、あの焔は、戦争の炎ではなく、鉄工所の鉄をつくる時の炎だと、
随分後の方になってから気付いた始末。
でもちょっと仕方ない、だってあの音楽、戦争っぽかったものね。

あの音楽で、怖そうな映画だな~と思わせて、恐怖心で一杯の心に、美しい
人間たちや、装束、調度品、目に見えるいろいろなモノ・・・

この映画の主人公は、一般的にはフリードリヒ役のダーク・ボガードとなっているけど、
私はマルティン役のヘルムート・バーガーだと思ったし
「ルードヴィヒ」よりずっと、作品全体も、彼自身も、この映画の方がずっとずっと良かった。

ラストシークエンス、とうとうゲシュタポになってしまった彼の、
あの装束の似合う、似合う事、そら恐ろしい目つき、身のこなし、
あぁこの役を演ずるために生まれたのね~と

イングリット・チューリン、上手と言うか、キモイと言うか、
最後の白塗りお化けは、体調の悪さも表していたと思うけど、
やっぱり、息子の事が、半分怖くて、半分心配だったんだと思う。
(自分的には息子とだけは、どんな事があっても、そういう事はしたくないし、
 死んだ方が絶対にマシ。まぁ普通の母親は全員そう思うと思うけど)

シャーロット・ランプリング、すっごく綺麗で、夫を愛する妻をよく演じていたけど、
役柄的には甘いわよね、収容所とまでは思わなかったけど、すんなりうまくいくはずなかっただろうし、
まぁお嬢様が収容所では、死ぬしかなかったんでしょうし・・・
でも子供たちだけでも、助かって本当に良かった、家庭教師さんもね。

ナチスの誕生前後の話、今朝たまたまヒガシと斗真君の舞台「わが友ヒトラー」の話を聞いていたから、
同じじゃん、とビックリ、三島が、この作品に、影響を受けたらしい。
「長いナイフの夜」の件は、目をそむけたいヒドイ映像だったけど、
事実としての戦争(国内の粛清)は、こんなもんじゃなかったでしょうしね・・・。

同じ国の人間をこんな風に殺せるんだもの、
アーリア民族以外をどんなにヒドイ目にあわせても、おかしくはないわよね。
あの結婚式の「正しいアーリア民族か?遺伝上の病気はないか?」っていったい何?
多分、本当にそうだったんでしょうね~と、心から怖くなる。

最初の晩餐の舞台から一人、また一人と消えてゆく、殺人・陰謀・裏切り・恐喝・・・
最後まで残っても、一人ぼっちではね・・・
それがあのアッシェンバッハの狙いだったのにね、最初から。
あの役者さんも尋常ではない上手さだった。
キレイなお顔だったしね、冷たさとソフィーに負けない心を持っていて。

自分で死んだ幼女・・・あの件は何とも言えない・・・
普通の年齢の彼女が居て、幼女に興味があって、母親とも・・・
なんじゃそりゃ~?と言いつつ、
汚い場面や、目をそむけたくなる場面の無い、そういう映画を作るんだよね、この人は。

一昨年以降、この監督の作品
「白夜」「熊座の淡き星影」「夏の嵐」「若者のすべて」
「ベニスに死す」「ルードヴィヒ」「地獄に堕ちた勇者ども」と、見てきたけど
その中ではこれが一番良かった

まだ再見していない作品も、初見していない作品も、ご縁があれば見たいです。
「イノセント」は買ってあるので、なるべく早く見ます。

これはもちろん反戦映画なんでしょうけど、私から見ると、
人間関係(家族)と装束や調度品、キレイな外面のモノを見せる・・・
汚い心と共に・・・そんな映画でした☆



初見時等の感想はこちら

地獄に堕ちた勇者ども(69・伊/西独) ・・・ 1-178
地獄に堕ちた勇者ども(69・伊/西独)(殿堂入り) ・・・ 1-178 




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comment

  1. 2012/05/11(金) 13:03:08 |
  2. URL |
  3. マミイ
  4. [ 編集 ]
miriさん、こんにちは。

>一般に売られているDVDのパッケージ画像は、今すぐにでも改めなさい、全然違うから。
ほとんど予備知識なしで観たのですが、
パッケージからは予想できない内容でしたね。
なぜ、あのシーンを選んだのか理解に苦しみます。

まとまった時間がとれなかったので、少しずつ細切れで観たのですが
それでも観始めるとすぐにひきこまれて最後まで観る事ができました。
最初は登場人物が多くて、全員覚えきれるか自信がなかったのですが、
一人一人特徴があったので大丈夫でした。

>最初の晩餐の舞台から一人、また一人と消えてゆく、殺人・陰謀・裏切り・恐喝・・・
>それがあのアッシェンバッハの狙いだったのにね、最初から。
本当にいろんな策略が蠢いていて・・・・
アッシェンバッハが直接手を下すのではなく
自分の思うとおりに陰から周りを動かしているのが余計に怖かったです。

マミイさん、こんにちは☆

  1. 2012/05/11(金) 13:27:01 |
  2. URL |
  3. miri
  4. [ 編集 ]
コメントを有難うございます☆

> >一般に売られているDVDのパッケージ画像は、今すぐにでも改めなさい、全然違うから。
> ほとんど予備知識なしで観たのですが、
> パッケージからは予想できない内容でしたね。
> なぜ、あのシーンを選んだのか理解に苦しみます。

あの俳優さんが人気があるからでしょうか?
ちょっと意味不明ですよね~。
今思うと、あのパッケージって爆笑モノかも???

> まとまった時間がとれなかったので、少しずつ細切れで観たのですが
> それでも観始めるとすぐにひきこまれて最後まで観る事ができました。
> 最初は登場人物が多くて、全員覚えきれるか自信がなかったのですが、
> 一人一人特徴があったので大丈夫でした。

それはお疲れ様でした。
たしかに特徴ありすぎますよね~。
引き込まれるのは、やっぱり演出の力のように思います。

> >最初の晩餐の舞台から一人、また一人と消えてゆく、殺人・陰謀・裏切り・恐喝・・・
> >それがあのアッシェンバッハの狙いだったのにね、最初から。
> 本当にいろんな策略が蠢いていて・・・・
> アッシェンバッハが直接手を下すのではなく
> 自分の思うとおりに陰から周りを動かしているのが余計に怖かったです。

こ・こ・こ・・・怖い・・・。
最近見た「あるスキャンダルの覚え書き」という映画は、
「ひえー!こえー!」しか感想が出てこなかったのですが、

この映画は「怖い」より他にもいっぱい出てくるので、
やっぱり名作かな~?と思ったりしました。
のちほど、お伺いいたしますね~。

ヴィスコンティ2作目

  1. 2013/06/08(土) 23:32:19 |
  2. URL |
  3. 鉦鼓亭
  4. [ 編集 ]
 miriさん、こんばんは

この映画のパッケージとしては、不適格な場面>
そうでしょうか?僕は悪くないと思ってるんですけど。(笑)
確かに売る為の意図「ドギツクやって、人目を惹こう」が見えるのですが、
この作品は、男爵家にしろナチスにしろ、権力層のグロテスクとも言えるインモラルと退廃を描いたものなので、僕には、それ程、違和感はありません。
ただ、僕は男色を連想させるものが生理的と言っていいくらい嫌いなので、このシーンが、今迄、作品を観なかった理由の一つだったのは確かです。
(それに、このパッケージを見て最初に浮かぶのは、この作品でも「嘆きの天使」でもなくて「キャバレー」なんですよね~笑)

エリザベート>彼女は収容所で殺されたと思っています(一服盛られたか、注射か何かで)
彼女と子供達が生かされていたのは、逃亡した夫に真相を口外させない為。
最初は「それでいい」と思ってたかもしれませんが、生きてる以上、何が起きるか解からない。
だから、エリザベートが「出る」と言ったのを利用したのでしょう。
ヘルベルトは、もしかしたら収容所送りと知っても母親が付いてるなら「何とか辛抱してくれ」と、心の中に居る悪魔の囁きに負けてたかもしれない。
けれど、母親なしで幼い子が収容所に居て、いつ彼らの毒牙に掛かるか解からない状態になれば、最早、戻る以外道はなくなります。
その為の手段として彼女は殺されたと考えています。

エリザベートがゾフィに、
「ここから居なくなれば、私という不愉快な存在を見なくてすむでしょう」
そんな意味の台詞を言ってるのですが、
この台詞は、勿論、「真相を知ってる邪魔な女」の意味だと思います。
けれど、妄想として、もしかしたら、戦死したゾフィの夫に、彼女は何か関係のある存在だったのかも、
例えばフィアンセに近い存在だったとか、それをゾフィが割り込んで来て横取りしたんじゃないか、とか。
まァ、僕は意味の無い妄想が得意なんで・・・。(笑)

マルティンが家長の椅子に座り、テーブルを叩く儀式を真似た時、既に周りに人なく自分しか居ない>
あのシーンは、恐ろしいシーンですが滑稽なシーンでもあったと思います。
これも妄想ですが、
遠くない将来、あの席に座っているのがギュンターで、テーブルの各席に座ってるのが、最早、一族と縁もゆかりもないナチスの連中ばかりだったら・・・。
(アッシェンバッハだって、エッセンベックをナチスに取り込む仕事が終わったのだから、いつ自動車事故を起こしても不思議じゃないし)

まだ先になると思いますが「家族の肖像」を観てみたいと思っています。

Re: ヴィスコンティ2作目

  1. 2013/06/09(日) 11:28:19 |
  2. URL |
  3. miri
  4. [ 編集 ]
鉦鼓亭さん、こんにちは☆
コメントの返信とコメントを有難うございます☆

> 毒に満ち溢れた作品だけど、忘れられなくなる「毒」でした。

そう、その通り!

> 特に前半部分が印象的、後半部は、ほんの少しだけ「ララのテーマ」を彷彿させる所がありました。

私はあの前半の序盤の恐ろしい音が、たまに耳の奥から聞こえてきます(怖)。
ララのテーマですか~あぁいう雄大な音楽って素晴らしいですよね~☆

>昔と違って散漫になりがちな僕を、惹き付けて離さない映画でした。
>演技の素晴らしさは、舞台美術の立派さの影響もあると思います。以下・・・

仰るとおりです~!
こういう映画は、今はご時世的に作りにくい感じがするので(そのうちCG?まさかね~)
この時に作って頂いて良かったですね♪

>タイトルも
>パッケージの画像も
>僕には、それ程、違和感はありません。
>ただ、僕は男色を連想させるものが生理的と言っていいくらい嫌いなので・・・以下
>「キャバレー」なんですよね~笑

そうですね~タイトルは良いのですが、
パッケージの方は、鉦鼓亭さんと同じように
「この絵だけで避ける」人もいるかと思いますし・・・
もっと良い場面もあると思いますしね・・・
「キャバレー」は未見ですが、たしかに似ているような?

> エリザベート>彼女は収容所で殺されたと思っています(一服盛られたか、注射か何かで)
~中略~
> その為の手段として彼女は殺されたと考えています。

恐ろしい事ですね・・・。

> エリザベートがゾフィに、~中略~
> まァ、僕は意味の無い妄想が得意なんで・・・。(笑)

妄想って大事な時もあると思います。

> マルティンが家長の椅子に座り、テーブルを叩く儀式を真似た時、既に周りに人なく自分しか居ない>
> あのシーンは、恐ろしいシーンですが滑稽なシーンでもあったと思います。

たしかにある意味、滑稽ですね~今思うと。

> これも妄想ですが、
> 遠くない将来、あの席に座っているのがギュンターで、・・・
> (アッシェンバッハだって、エッセンベックをナチスに取り込む仕事が終わったのだから、いつ自動車事故を起こしても不思議じゃないし)

結局「使い捨て」それは回り回って
総統まで続いてゆくのでしょうね・・・。

> まだ先になると思いますが「家族の肖像」を観てみたいと思っています。

実はその作品、最近やっと再見したのですよ~。
この映画とはタイプが違うけど、やはりヴィスコンティの作品でした☆

2作目、とのことですが「ベニスに死す」は好き嫌いが激しく別れる作品ですし
っていうか、彼の映画は全部そうかもしれませんが、
いろんな作品があるし、陳腐な言い方ですがやはり映画史に残る巨匠だと思っています♪
 
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古今東西、色々な映画が好きです♪
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