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映画鑑賞の記録

私の映画感想文と、映画に関する文章などです。


2-741  海は見ていた 

  1. 2010/09/02(木) 23:00:00_
  2. 熊井啓
  3. _ comment:2
海は見ていた  2002年・日本



海は見ていた





 
.


2010年9月2日(木)  日本映画専門チャンネル

監督 熊井啓 (ご遺作)
主演 清水美砂 (菊乃役)

感想
これは秀作、そして感銘を受けた作品。

このDVDの表紙のシーンは意味深く、心に突き刺さる・・・
雨の合間の美しい空と太陽の光。
映画ではこの装束になった時は満天の星なので、ちょっと時間ずらしているけど。

遠野凪子演ずるお新は助かったんだと思う、それも大好きな男とともに・・・。菊乃は・・・。

しっかりした作りの映画、
脚本がね、黒澤だし、監督が熊井だからね

江戸時代のこの頃の風俗やら何やら、きっとこういう感じだったんだろうなあ?と思わせる。
よくあるテレビドラマのようなきらびやかな感じのしない、さびれた岡場所の感じがよく出ていた。

奥田瑛ニってこういう役柄似合うんだよね~!ピッタリ、役者だけやっとれっつーの。
女を殴るヒモ、女を食い物にして、ブラブラ暮らす最低の男、きっとそこらじゅうにいたと思う。

吉岡もこういう役柄がピッタリだと思うわ。優柔不断を絵に書いて、なんというか、
悪気のない悪意

こういう偽善者って(今でも)どこにでもゴロゴロしているよね。

そう、吉岡の役柄である房乃助に出来るのは、
せいぜいキレイな言葉を連ねて、
自分に酔うだけ、自分が満足するだけ、
してやった気分を満喫、
それが「偽善者」というものの正体

(偽善者って、自分が偽善者だって知らないのよね~バカだから)

多分前半後半の境目は、吉岡から永瀬にかわるとこなんだろうけど、
二人を同じ場面でかぶせたのが2回あって、その後の方は、吉岡が消える日だから、理にかなった演出。

音楽も耳に心地良く、人名の出し方も昔ながらの日本の映画って感じですっごく良いし
(大昔ではなく昭和中盤チック)

永瀬君は得をしたけど、またまたこの人もこういう役柄がピッタリで、
拗ねたような斜めに見る目が、棄てられた犬のようなんだろうな~。

奥田を殺して、上方へ逃げるはずが、船を調達して二人を救いに戻る・・・
これからが人生なんだよね、二人で力を合わせて・・・そんなに甘くないけど、今までの事思えば、
きっと、と、この二人には希望を見たいと思う

売られた遊女、ヒモに利用され、どんどん下へ落ちる、武家の出というウソ、胴巻に入れたお金、最後の最後になって、
菊乃と言う人物の大きさや優しさや、今まで生きて生きた全部が、現われて
本当は提灯一つの灯りなのに、うす明るくして、これも演出の一つ(ミスではないと思う)

だから、やっぱり最後まで良い作品だと思う。

今も昔も、真面目に生きても報われない事って一杯あるし、
いい加減に生きたり、人を踏みつけにして、成功者と言われる事もよくあると思う。

大自然の災害は、そんな人間を飲み込んで、きっとやり直すチャンスにしてくれるのかもしれない・・・
海が本当に見ていてくれたのかもしれない。

でも、最後の最後まで報われず、助からなかった人もいると思う。
きっと不条理と思っても、それこそが人生なんだよね・・・。

大げさでなく、大声でもない、静かな訴えのある映画・・・「夕凪の街 桜の国」と同じように感じた。
有難う、熊井監督☆

(私は日本人の監督では、熊井啓監督が一番好きです☆)
(だから、他界された時は大ショックで、泣けました・・・)





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comment

こんにちは

  1. 2010/09/19(日) 12:22:39 |
  2. URL |
  3. アスカパパ
  4. [ 編集 ]
此の映画は、当時あまり話題に上らなかったと記憶しています。私は映画館で観ましたが、観客も少なかったと思います。
もちろん、そんなことに拘わらず、私は可成り高評価しました。

miriさんのレビューを拝見して、深く鑑賞されているのに感嘆しました。

>本当は提灯一つの灯りなのに、うす明るくして、これも演出の一つ(ミスではないと思う)

多分、miriさんの言われる通りでしょう。熊井監督ですからね。
私は詳しい内容を忘れかけています。すみません。

全体的に、miriさんも同じような感想をお持ちだと推察しました。ちょっと嬉しいです。

アスカパパさん、こんにちは☆

  1. 2010/09/19(日) 17:22:25 |
  2. URL |
  3. miri
  4. [ 編集 ]
コメントとトラックバックを有難うございます☆

> 此の映画は、当時あまり話題に上らなかったと記憶しています。私は映画館で観ましたが、観客も少なかったと思います。
> もちろん、そんなことに拘わらず、私は可成り高評価しました。

そうですね~熊井監督自体、目立つとか話題とかとは、遠い人だったように思います。
映画館で鑑賞されて、羨ましいです。

> miriさんのレビューを拝見して、深く鑑賞されているのに感嘆しました。
> >本当は提灯一つの灯りなのに、うす明るくして、これも演出の一つ(ミスではないと思う)
> 多分、miriさんの言われる通りでしょう。熊井監督ですからね。
> 私は詳しい内容を忘れかけています。すみません。

いえいえ、そんなぁ・・・
いつも良く仰って下さり、恥ずかしいです。
あの薄明るいのは、時間的に考えると、ちょっと変なのですが、良い演出だと思ったので・・・。

> 全体的に、miriさんも同じような感想をお持ちだと推察しました。ちょっと嬉しいです。

こちらこそ、光栄です。
お誕生日の事も、ホントに嬉しいです♪
 
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